建築学生におすすめ 建築を題材にした小説3選

建築

建築を学習していると、図面を書いたり模型を制作したりと息が詰まってしまう時がありますよね。気分転換しながら建築についても理解が深まれば、まさに一石二鳥。

この記事では、建築学生のみなさんにおすすめの小説を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

五重塔:幸田 露伴

五重塔」は、五重塔の建立に情熱を注ぐ宮大工たちの物語です。

登場人物の一人、職人気質な大工の十兵衛は、人間関係に不器用ながらも、自身の技術に強い信念を持ち、職人としての道を進んでいます。彼の仕事ぶりは確かで、真摯な姿勢が感じられます。

一方、義理人情を重んじる親方大工の源太は、十兵衛とは対照的な性格ですが、彼の人柄もまた魅力的です。

これら二人の対比が、文語体でリズミカルに描かれています。文章は一見難しそうですが、読み始めると惹き込まれる魅力があります。これこそが文豪と呼ばれる作家の筆力の表れでしょう。

火山のふもとで:松家 仁之

火山のふもとで」は、建築設計事務所の新人所員である主人公と、彼のボスである建築家の交流を描いた小説です。

リアルな建築と設計に関する美しい文章が特徴で、建築家の言葉や軽井沢の風景、そこに住む人々との交流、そして山荘での音楽や料理などが魅力的に描かれています。

ストーリーでは、設計競技の参加作品をスタッフが一丸となって作り上げる場面などもあり、建築経験者にとって興味深い要素が盛り込まれています。

著者の建築に関する見識も素晴らしく、専門家としても没頭して読むことができます。

地図と領土:ミシェル・ウエルベック

地図と領土」は、主人公が現代アーティストの物語です。

主人公が作り出す芸術作品の表現描写が素晴らしいです。彼の作品は主に視覚に訴えるものですが、文章で見事に表現され、作品を鑑賞しているかのような感覚に浸ります

さらに、登場人物を通じて作者が社会に対する考察を繰り広げる点がこの小説の魅力です。様々な分野の視点から語られ、ストーリーに巧みに組み込まれています。特に主人公の父親である大手設計会社の経営者は、彼の創作活動に大きな影響を与えます。

彼らの会話からは、若い頃の憧れや建築界の巨匠に対する批判などが読み取れ、非常に興味深いです。

まとめ

今回ご紹介した小説は建築の魅力や背景に触れることができ、建築学の学習やインスピレーションの源となるでしょう。

登場人物やストーリーを通じて、建築の奥深さや創造性が描かれています。

建築の世界に没頭しながら、物語の中で新たな視点を見つけてみてください。