近代建築の三大巨匠:【 ル・コルビュジエ 】

近代建築の三大巨匠:ル・コルビュジェ 世界遺産

ル・コルビュジエとは?

ル・コルビュジエ(Le Corbusier)は、20世紀を代表する建築家の一人で、スイス出身のフランスの建築家・都市計画家です。本名はシャルル=エドゥアール・ジャヌレ=グリ。

現代建築の父と呼ばれ、新しい建築様式である「近代建築」の代表的人物です。彼は機能主義を基調とした建築を提唱し、建築における機能性や合理性を重視しました。また、彼は建築だけでなく、都市計画や家具デザインにも精通し、建築家としての役割を広げました。

彼が手掛けた代表的な作品として、ロンシャン礼拝堂、サヴォア邸、ユニテ・ダビタシオン、ラ・トゥーレットの修道院、国立西洋美術館など多くの建物があります。その中でも、世界遺産にも登録されたインドのチャンディガールの都市計画は特筆されます。

ル・コルビュジエは、「フランク・ロイド・ライト」や「ミース・ファンデルローエ」と並び近代建築の三大巨匠と称されており、その思想や哲学は今も多くの人々に影響を与えています。


モデュロールとは?

ル・コルビュジエが提唱した「モデュロール(Modulor)」は、人間の身体を基準にした建築物の設計手法です。

身体の要素である指、肘、目、体などの寸法を基に、比率や縮尺を設定して建築物を設計することができます。

この手法は、建築における人間中心主義を反映しており、建築物の設計において人間の快適性や機能性を追求することを目的としています。

また、モデュロールは、建築物の規模や形状を決定するだけでなく、内装や家具の設計にも応用され、ル・コルビュジエの代表作であるロンシャン礼拝堂などにおいても採用されています。

近代建築の五原則とは?

1. ピロティ

「ピロティ」とは、建物を支える柱の部分を地面から持ち上げ、建物の下部に空間を作り出す方法です。

これにより、建物の下部を駐車場や庭園などにすることができ、通風や採光が良くなります。また、建物が地面に直接接触することで生じる湿気やカビの発生を防ぐこともできます。

2. 屋上庭園

「屋上庭園」は、建物の上層部に広がる緑地であり、都市における緑化や景観の向上を目的としています。

ル・コルビュジエは「人々が一年中使用できる自然の空間を作ることが建築家の使命である」と語っており、屋上庭園はその考え方を具現化したものです。

彼はこの原則を多くの作品に取り入れ、屋上庭園を設けた建物は現在でも多くの都市部に残されています。

屋上庭園は、建物の持つ多くの機能の中で、緑地やレクリエーションスペースを確保する点で非常に意義のある設計手法とされています。

3. 自由な平面

「自由な平面」とは、建物内部の空間構成において、柱や壁などの構造要素を可能な限り排除し、自由に動線や空間を構成することを指します。

これにより、内部空間がより柔軟かつ効率的に利用できるだけでなく、建物外部からも建築構造を直感的に理解しやすいデザインが実現されます。

4. 水平連続窓

「水平連続窓」は、建築物のファサードを滑らかで均一な水平ラインで覆うように配置された長い窓です。

このデザインは、建築物内部に自然光を拡散させ、建物外観をモダンでシンプルに見せることができるため、ル・コルビュジエが提唱する機能主義に沿ったデザインとなっています。

また、この窓によって建築物内部と外部との間にある障壁が取り除かれ、建築物と周囲の環境との融合を促進しています。

5. ファサード

ファサードは、建物の外側の装飾的な要素を省き、機能的かつ合理的なデザインを追求することを指します。

彼は建物のファサードを平面的なキャンバスのように考え、直線的でシンプルな形状を使い、大きな窓や開口部を配置することで、自然光や風を取り込むことができるようにしています。

また、ファサードは建物の構造や素材を正確に表現することで、建物の本質を際立たせるように設計されています。

このような合理的かつ機能的なデザインは、ル・コルビュジエの建築思想である「機能主義」を体現したものと言えるでしょう。

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